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今回の七海通信の話題は、日本情報 日本の観光 沖縄県宮古島市大神島 神の島3についてです。
(1)神の島 その3
大神島は大きな神様の島、その名前のとおり、神の島です。と言いたいところですが、実はそうではないんです。
宮古の方言では大神島のことをukamと言います。大神島の人たちも自分たちの島をそう言います。ウカまではふつうの発音でいいんですけど、最後のmは唇を閉じるだけの音です。英語のcomeカムのムと同じですね。で、その意味は「拝む」です。つまり、大神島は大きな神様の島ではなく、「拝む」島だったのです。
この島の方言は世界的にも変わっていて、基本的に濁音がありません。それでgがkになり、オガムがウカムになるわけです。オがウに変化するのは琉球の方言ではふつうのことです。
ネットなどでも紹介されているように、大神島は神の島、立ち入り禁止の場所がたくさんある島、島の人でさえ入れない場所のある島、これは確かにその通りです。
島の神事を司るのは決められた女性=ツカサのみです。数ある神事の中には幾夜も泊まり込んで行われるものもあります。こうした神事には基本的に男性は入れません。(ぎゃくに男性たちだけで歌われる歌などもあったりします。)
重要な神事は完全に閉ざされた中で行なわれ、神事に関わることは一切口外できません。しかし、そうした神事を司るツカサたちは年々高齢化し、一人減り二人減り・・・かつては十人以上いたツカサも、去年ついに最後の一人が亡くなってしまいました。後継者は、もういません。
島の神事については絶対に口外してはいけない、このことが厳粛に守られ続けた結果、大神島の神事の核心については、ほとんど記録されたり伝承されたりすることなく、島の厳粛な伝統とともに消えさろうとしています。大神島の神事は、まさに神秘のベールに包まれて謎のまま、いつか人びとの記憶からも消えていくのでしょう。
執筆:金田章宏(国立大学法人千葉大学 国際学術研究院 名誉教授)
七海通信内:沖縄県宮古島市大神島 神の島3の関連記
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