東京都新宿区にある日本文化講座・風呂敷講座を開催している株式会社七海インターナショナルです。
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今回の話題は、風呂敷講座 ご寄贈頂いた風呂敷 風呂敷が伝えたいこと2 掛け袱紗「寿(壽)」についてです。
今回は、風呂敷が伝えたいこと2 掛け袱紗(かけふくさ)「寿(壽)」のどこから、お伝えしようかと考えましたが、やっぱりこのデザイン!この掛け袱紗(かけふくさ)を一瞬見ただけで、おめでたさ、喜びが伝わってくるでしょう!
「寿」の旧字体(異体字)の「壽」が刺繍されています。刺繍も細かく華やかさに驚きました。金糸2本で縁取りされ、吉祥文様の松竹梅の刺繍を、「壽」の文字の上に更に刺繍でちりばめてあり、熟練された刺繍技術が伺える、豪華なデザインです。
掛け袱紗の表は、紺色のようにカメラに写ってしまっていますが(カメラ3台で撮影しましたが本来の紫の華やかな色がでませんでした残念!)、実際には本紫系(あざやかな紫)で、裏面も鮮やかな赤色、両面シルク素材です。
次に、掛け袱紗(かけふくさ)の用途について。
慶事でお祝いの品を贈る時に日除け、埃避け、併せて息がかからないように、上から覆うように掛ける袱紗(ふくさ)です。四つ角に房(今風に言えばタッセル)が付いています。掛け袱紗の由来は昔は着物の袖をかけたことから生まれたそうです。
こちらの掛け袱紗は、慶事(結婚前の結納)の時、金品を渡す時に掛けて使われたのだろうと推察できます。重厚な桐箱に収められていました。大切になさっていた掛け袱紗だということを伺い知ることができました。
ひとつ疑問でしたのが、掛け袱紗は表面が華やかな紫色、裏面が華やかな赤色です。慶事ですから、赤色が表でも良かったのではないか?ということです。
私個人の想像ですが「壽」文字の豪華な刺繍をより際立たせることや、品格を出すためにわざと紫を表に使ったのではないかと想像を膨らませています。
こちらは、皆におめでたい気持ちを分け与え、喜びを伝えてくれる掛け袱紗です。
弊社、風呂敷講座にて、年代物につき刺繍糸が緩んでいる個所もあり、お触りはNGとさせていただきますが、受講生の皆様に是非実物をご覧頂きたいと思います。
執筆:風呂敷講師 土肥原くに子